コネチカット州マンチェスターで作陶するリディア・ジョンソンは、流星のようにアメリカの陶芸界に登場した。わずか3年前にニューヨーク州立アルフレッド大学で美術修士(陶芸)を取得したリディアは、卒業当時はまだろくろで回した作品を主に作っていた。

現在のリディアを象徴する、カラフルでとても薄く伸ばした練りこみのうつわを作り始めてからまだそれほど時間が経っていないが、すでに今年ニューヨークで行われる名声高いアーキテクチュラルダイジェストのデザインショーに出展が予定されているほどの人気である。

リディアのうつわは、液状に溶かした粘土に顔料を混ぜ、適度に乾かした後にスラブローラーという粘土を板状に伸ばす機械を使って作られる。

写真撮影 Abby Weeden
練りこみや、たたら機を使うこと、そして模様をステンシル印刷する方法は、陶芸の技術的にはよく行われていることであるが、リディアの場合は機械の利点を利用して、極力薄くしたり、オリジナルの大胆なパターンを施したりすることでシャープで洗練された作品を作っていることが革新的なのだ。

また、リディアのうつわは軽くて薄いにもかかわらず、硬く焼き締められているのでとても丈夫にできている。東京での展示は「アメリカの手仕事展2019」が初となる。ぜひ手に取って欲しいと思う。
リディア・ジョンソン経歴
ペンシルバニア州メサイアカレッジを卒業後、ニューヨーク州立アルフレッド大学美術修士を取得。テネシー州のアーツコミッションのレジデンシーを受けたのち、コネチカット州マンチェスターにスタジオを設立。