ウィスコンシン州のアシュランドに住むジャロッド・ダールは、生木を斧とナイフのみで削って小物を作る、グリーンウッドワーカーである。

グリーンウッドワークとは、人力のシンプルな道具や機械を使って、やわらかい生木を削って小物や小さな家具を作ることである。森や、時には庭から伐採した木などをすぐに使え、誰でも場所を選ばず行えるので、日本でも今徐々に人気が高まっている木工方法である。


20年以上の経験があるジャロッドは、安全かつ効率的にグリーンウッドワークが行える講習会を国内外で行なっている。日本でも2018年から、岐阜県にある岐阜県立森林文化アカデミーでワークショップを毎年やっている。特にジャロッドのスプーン削りのワークショップはとても人気があり、アメリカ国内でもすぐにいっぱいになってしまう。

一般のつるつるに削って形成した木の小物と違って、ジャロッドの作品にはナイフで削った線が美しく残り、手で触るととても柔らかい。木のスプーンはたくさん持っているけれど、どうしてもジャロッドのものを手に取ってしまう。はつった白木の飾らない、正直な美しさをぜひジャロッドの作品で楽しんでほしいと思う。
ジャロッド・ダール経歴
1996年から木工に携わっているグリーンウッドワーカー。生木からカップやスプーンボールなどの小物を人力のシンプルな機械をやナイフや斧を使って作成。足でペダルを踏んで弓の弦に絡めた木を回し、削って形成するポールレーズなどを操作するワークショップや、斧とナイフでスプーンを形成するスプーンカービングのクラスを主宰する。北米のセンターフォーファニチュアクラフトマンシップ、ノースハウスフォークスクール、日本の岐阜県立森林文化アカデミーなどで定期的にクラスを開催している。